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すべり止め舗装(骨材とは?)

  骨材とは一般的にはコンクリートやアスファルト舗装などに用いる砂や砂利のことを指します。ニート工法によるすべり止め舗装においては舗装表面に塗布したバインダー上に散布する、硬質のセラミックや自然石などを指します。すべり止め舗装に使用される骨材には次のような特性が要求されます。

 (1)鋭利ではない、稜角という形状の特質を持つもの
 (2)モース硬度が7以上であるもの
 (3)耐摩耗性に優れているもの

 すべり止め舗装用の代表的な骨材は現在下記のようなものがあります。

  骨材 粒径(mm) モース硬度
自然石 エメリー 黒色 3.5〜1.5 8〜9
人工骨材 着色磁器質骨材 赤褐色、緑色、
黄色、青色、白色
3.3〜2.0(A-1)
2.0〜1.0(A粒)
1.0〜0.5(B粒)
7〜8
炭化珪素質骨材 黒(光輝性)

3.5〜2.0,
2.0〜1.0

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 エメリー(Emery)は天然の鉱産物で、コランダム、鉄スピネル、磁鉄鉱などが極めて微細な組織で混合しています。粉砕しても鋭利な角ができず、粒子の面も平滑ではなくざらざらしていることが特徴です。名前の由来は産地であるギリシャのエメリー岬から付けられました。古くは研磨材として使用され、最近になってすべり止め用骨材として利用されるようになりました。

 着色磁器質骨材、いわゆるセラミックス骨材は主に、珪石、長石、陶石、粘土等を原料としています。着色することが容易なため、現在は5色のパターンがあります。モース硬度的にはエメリーに劣りますが、すべり抵抗値としては同等の値を保ち、また非常に手軽で路面上における視認性もよくなることからすべり止め舗装においては現在最も使用度が高い骨材です。

 炭化珪素質骨材は人工的に作られる鉱物で、組成は「SiC」で表すことができます。結晶構造はダイヤモンドに似ていて非常に硬く、また耐熱性にも優れていることから、近年は耐熱高強度構造材料としてさまざまな部品の素材としても利用されています。この結晶は結晶面が大きく、光を反射しやすい性質のため、路面上でキラキラ輝き視認性の良いすべり止め舗装とすることができます。光輝性の面ではセラミック骨材にガラスカレットを混合して使用する方法もありますが、ガラスは硬度的に低いため、数年たつと割れて飛散してしまい、すべり止め舗装の耐久性をかえって低くしてしまいます。耐久性では炭化珪素質骨材の方がはるかに勝ります。ただ、材料コストが高く、着色もできないため、セラミックス骨材に比べるとすべり止め舗装に使用される頻度は低いのが現状です。