もどる
MMAモノマーとは?

  MMA(メチルメタクリレート)とは、アクリル樹脂系の材料です。

 化学名は「Methyl Methacrylate(または Methyl-Metha-Acrylate)」で日本名は「メタクリル酸メチル」といいます。分子式は

CH2=C(CH3)CO2CH3リンク先サイトで「Methyl Methacrylate」でサーチすると3D画像が見られます。

となります。(上の3D画像のリンク先サイトで「Methyl Methacrylate」を検索して、「3D model」の[Show]をクリックすると3D画像が見られます。)

 モノマーとは、単分子のことで、モノマーがつながるとポリマー(高分子又は重合体)となり、この反応を重合といいます。また、数分子がつながったものをオリゴマーと呼ぶことがあります。MMAモノマーは、無色透明な液体です。

 さて、このMMAモノマーに重合開始剤を加えたり、熱を加えたりすると、モノマー(単分子)がポリマー(重合体)となり、固まったものがアクリル樹脂(PMMA)です(アクリル繊維のアクリルニトリルとは違います)。これの板状になったものがよく見るアクリル板です。

→重合→
モノマー   ポリマー

 アクリル樹脂(PMMA)はその透明感からプラスチックの女王と呼ばれています。

 アクリル樹脂(PMMA)の主な特徴

1.透明性が高く、無機ガラスをも凌ぐ透明度です。(アクリル93%に対して、無機ガラス92%)

2.耐候性が良く、太陽光による変色、変質が少ないのです。

3.耐衝撃性があり、万一壊れてもガラスのように飛び散らないのです。

 これらの特徴から航空機の窓ガラス、光通信などに使われる光ファイバー、自動車用ガラス、船舶の風防ガラス、水族館の水槽や水槽内のトンネル、建築・家具の材料、照明器具、広告看板、医療用材料(人工義歯など)、コンタクトレンズ、日用雑貨や液晶ディスプレイなど、多岐にわたって利用されています。

 簡単用語解説

アクリル樹脂(Acrylic resins)とは、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルの重合体(ポリ=Poly)の総称です。メタクリル酸エステルの重合体を、メタクリル樹脂と言う場合もあります。特にメタクリル酸メチルの重合体(PMMA=Poly Methyl Methacrylate)が有名で、アクリル樹脂といった場合、このPMMAのことを指す場合が多いのは、有機ガラスに使用されているアクリル樹脂のほとんどがPMMAだからです。

 

アクリル酸(Acrylic Acid)とは化学式がCH2=CHCOOHのもっとも簡単な不飽和カルボン酸(不飽和脂肪酸)です。ビニル基(CH2=CH-)を持つので、ビニルのひとつであるとも言えます。適当な重合開始剤、あるいは酸素などの作用により容易に重合し、アクリルポリマーとなります。この重合体はカルボキシル基を多数持つために親水性が高く、アクリルポリマーの主な用途には、紙おむつや生理用品用の吸水性ポリマー、汚水浄化に使う高分子凝集剤、洗剤の効果を高める洗浄力強化剤、レーザープリンタ用トナーなど、様々なものがあります。
  アクリル酸エステルにはアクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチルアクリル酸2-エチルヘキシルアクリル酸2-エチルブチルアクリル酸n-デシルアクリル酸n-ヘキシルアクリル酸ヒドロキシプロピル、などがあります。
  アクリル酸メチルの多くはアクリル繊維の原料として使われ、アクリル酸エチルは粘着・接着剤やアクリル系塗料の原料として使われています。
 またアクリルアミド(CH2=CH-CONH2)は、熱や紫外線によって重合して非水溶性のポリアクリルアミドとなり、これはトンネル工事や下水道、あるいはダム建設など主に水回りの工事において漏水防止剤や土壌凝固剤として使われています。
 
アクリル酸
     
メタクリル酸(Methacrylic Acid)とは、化学式がCH2=C(CH3)COOHで表されます。アクリル酸にメチル基(-CH3)が一つ付いた感じです。常温で無色透明の液体で、酢酸に似た刺激臭があります。主にメタクリル酸2-エチルヘキシルとメタクリル酸n-ブチルの原料として使われます。
  メタクリル酸エステルにはメタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸n-ブチルメタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2,3-エポキシプロピル、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、などがあります。
  メタクリル酸2-エチルヘキシルは、塗料、被覆材料、潤滑油添加剤、繊維処理剤、接着剤、歯科材料や分散剤などに用いられています。また、メタクリル酸n-ブチルは、繊維処理剤、紙加工剤、紙コーティング剤、潤滑油添加剤や金属表面処理剤などに用いられています。
 
メタクリル酸
     
カルボン酸(Carboxylic Acid)とはカルボン酸構造 (R−COOH) を酸成分とする有機化合物です。カルボン酸構造の特性基の名称はカルボキシル基(−COOH) (親水性)で、置換基としての総称はアシル基です。弱酸のものが多いですが、有機酸の中では強い酸の部類に入ります。また、Rの部分によってはかなり強い酸となる場合もあります。  
カルボキシル基
     

エステル(Ester)とはカルボン酸等の有機酸や硫酸等の無機のオキソ酸が、アルコールと脱水縮合してできた化合物の総称です。○○酸メチル(-CH3)、○○酸エチル(-C2H5)とか、○○酸ブチル(-C4H9)など、母体となる酸の名前の後ろに、アルコールのヒドロキシル基を取り除いた部分の基名を続けて記述します。

 

国際化学物質安全性カード(ICSC)